[レポート] 変革する放送 / メディアと Google Cloud #interbee
こんにちは、大前です。
本エントリは、2022/11/16 - 11/18 に幕張メッセ + オンラインにて開催されている、Inter BEE 2022 のセッション「変革する放送 / メディアとGoogle Cloud」についてのレポートブログです。
セッションはユーザー登録を行うことで、オンラインでも視聴可能です。
セッション概要
業界の変化をシェアしつつ、Google Cloudがそれらの変化をどのように捉え、伴うお客様の変革をどのようにサポートしているかをシェアいたします。また、お客様がそれぞれの課題に対し、Google Cloudをパートナとし、データおよび最新のツールを活用することで、どのように解決しているか解説いたします。
スピーカー
- 公文 象二郎 氏
- グーグル・クラウド・ジャパン 合同会社 シニア アカウント エグゼクティブ
レポート
変化を続けるマーケットと視聴者と Cloud
- オンライン視聴の市民権が大きくなり、加速していることがわかる
- 80% 以上の視聴者は 1つ以上のサブスクリプションに加入している
- 4つ以上に加入でも 35% もいる
- 46% のユーザーはコンテンツを探すのが難しい、と感じている
- 見逃した番組をどこで見れるのか、など
- 離脱率も 30% 以上
- みたいコンテンツだけ見て離脱、など
- 加入と離脱が激しいことがわかる
- ロイヤリティ維持という部分が大命題となっている
- どれだけ注目を得られるか
- 視聴者を獲得できるのか
- D2C の世界では顧客が方向性を決めていく性質が強い
- 視聴者は今度も増えていく
- 期待されている部分
- パーソナライズされたレコメンデーション
- 広告型もしくはフリーティアの扱い
- XR への期待
- より進化した検索やコンテンツ発見
- 提示される広告の扱い
- 安全・プライバシーの保障
- Cloud への準備において、メディア組織には著しい差が生まれている
- 最初はちょっとクラウド使ってみる、から始まる
- 最終的な段階として Google Cloud が考えているのはデータドリブンメディア組織
- ワークフローの最適化
- AI/ML の活用
- フィードバックループが機能するためのデータが得られている
- "クラウドを使うこと" が目的ではない
- 世界でも大規模な D2C プラットフォームの企業は Google Cloud を利用している
- Google Cloud はメディア企業の視聴者体験の変革をお手伝いしている
- 視聴者体験はものすごい幅で広がっている、身の回りにもそれを感じるケースは多々ある
先進の顧客とユースケース
- Google Cloud が考えるメディアの変革における重要なテーマ
- データの活用
- 世界規模での D2C
- Cloud ベースのメディアサプライチェーン
- AI/ML によるイノベーション
- マネタイゼーションの進化
- MLB 様の事例
- データ分析の大きな事例
- 保有するデータからさらなる価値を創出する活動
- ファンの興味を引く、ファンの体験を改善する
- 球場での観戦、オンラインでの視聴
- チケット購入などの活動
- SNS でのシェア
- ユースケース
- 視聴者の推察
- コンテンツの分析
- パーソナライズ
- ビジネスに関する洞察をえて、次のアクションに向けた決定を進める
- Televisa Univision
- スペイン語ベースの放送事業を行うメディア企業
- 世界規模の D2C を行なっている
- Google Cloud を活用したプラットフォームを作成
- 配信から、コンテンツのトランスコード
- CDN や API も利用
- 純粋なプラットフォームとして Google Cloud を利用しつつ、パートナーも活用して E2E のソリューションを構築
- データ分析もプラットフォームに組み込んでいる
- 視聴者の理解、洞察からパーソナライズも実現
- globo 様の事例
- ラテンアメリカで最大のメディア企業
- クラウドベースのメディアサプライチェーンの事例
- コンテンツの生成からパッケージ、編成、配信までをイメージ
- ここはチャレンジングな部分
- 既にビジネスとして成り立っている領域であるため
- ハードウェアなどに依存している部分が多い
- クラウドネイティブでない部分が多い
- モダナイズする能力を有していない
- ユースケース
- スタジオの仮想化
- アーカイブの移行
- レンダリング
- メディアストレージ
- Cloud-enabled ライブ
- プレイアウト
- Cloud ベース ヘッドエンド
- 各コンポーネントをクラウド化することで、新しいチャレンジを続けている
- 20以上個別に存在したプラットフォームの統一
- 中心にあるのはデータ
- Google Cloud への移行も検討
- 新しいチャンネルを立ち上げることができるプラットフォームに
- サッカーの放映権を持っているが、リソース不足から、トップリーグの配信しかできていなかった
- クラウドを活用することで、多くのチャンネルを追加することができた
- FOX SPORTS 様事例
- AI/ML の事例
- マニュアルに依存する部分の自動化を支援
- 長年に蓄積されたデータやコンテンツが大量に存在
- これらは日々増えていく
- コンテンツの発見や編成までのオペレーションを改善
- アセットをインテリジェントに利用できるように
- 従来のタグ付け等の方法以上にコンテンツを理解して利用する
- AI/ML を利用した画像認識、音声認識、など
- 検索性の向上
- ユーザに対するレコメンデーションやビジネス的な洞察にもつながっている
- Televisa Univision 様事例
- 収益化についての事例
- マネタイズは常に考慮する必要がある領域
- 新しい収益の流れ
- SVOD → AVOD → FAST への変遷
- データマネタイゼーション
- ライブコマース
- Web3
- クラウドによって、多様なマネタイズ戦略を身軽にトライできる
- ブロックチェーンを利用した収益化
- Web3 テクノロジーで可能となる世界をサポート
- デジタルアセットをやり取りするためのプラットフォームやエコシステムを提供
革新を支えるソリューション
- Google Cloud のミッション
- 全てのメディア企業におけるビジネスの将来性を手助けすること
- コンテンツプロダクションから配信、データ活用まで
- 全てのメディア企業におけるビジネスの将来性を手助けすること
- Virtual Studio on Google Cloud
- 仮想プロダクション環境を提供
- リモート制作を実現しつつ、クオリティを担保
- コスト削減にもつながる
- ブロードキャストのモダナイゼーション
- お客様ごとにモダナイゼーションに向けたステップは異なる
- お客様の状態を確認し、将来の状態を擦り合わせる
- ライブプロダクション
- マルチフィード
- 低遅延
- テストとローンチ
- プレイアウト
- リニアコンテンツのマネタイゼーション
- 低遅延
- マルチデバイスへの配信
- globo 様の事例
- 新しいチャンネルを立ち上げたいという背景
- Tier を分割し、数パターンのクラウドベースのプレイアウトシステムを設計
- クラウドネイティブ / オンプレ併用、など
- ストリーミング
- パートナーエコシステムと連携し、Google のインフラ上で稼働している
- Google Cloud だけを利用するのではなく、パートナーが提供するエコシステムを組み合わせて利用することも可能
- Google Cloud の Media CDN を利用することで、Youtube を同等のインフラを利用可能に
- オープンかつ成長を続けるエコシステム
- オープンエコシステムなメディア関連パートナーが多数存在
Google Cloud と次のステップを
- Google Cloud はメディア企業の変革のために特化している
- 地球規模かつパフォーマンスの高いインフラ
- データ、AI/ML インテリジェンス
- オープンなパートナーエコシステム
- 業界に特化した製品とソリューション
- セキュアで信頼できるクラウドサービス
おわりに
Google Cloud をどのようにグローバルなメディア企業が活用しているのかを知ることができるセッションでした。また、ブロードキャストのモダナイゼーションがチャレンジングな領域である話が印象的でした。
今後は国内での活用事例なども増えていきそうですので、Google Cloud を活用したメディア企業についてもウォッチしていきたいと思います。
以上、AWS 事業本部の大前でした。